逆巻コイルの打消効果と相乗効果

3 years ago
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今回は「ドナルドのコイル」の相乗効果を周波数調整も交えてテストしました。これは電力の送受信だけでなく、送信電力据え置きで発電も同時に行えるコイルですので、見かけ上、送信電力が200%近くなりますが、実際には90%の送信電力の受信と受信コイル双方での発電がそれぞれ60%づつあるのが実態です。

受信コイルの発電方式は磁場密度の濃淡を繰り返す方式で、受け取った磁場の2倍近くまで濃くまたは薄くする事が可能です。そのタイミングが一致する周波数の帯域はごく狭くピンポイントで調整はかなりシビアです。

ドナルド・スミスのコイルは、逆巻コイル(Opposite coil)や、バッキングコイル(bucking coil)と呼ばれる事のあるコイルです。

逆巻コイルが互いの磁場を打消す事はよく知られていますが、周波数を若干調整すると、互いの磁場を強め合う相乗効果やテストの注意点などはあまり有名になりません。

今回は送信コイル1つと、受信コイルを2つ用意しました。

受信コイルはコイルの巻方向だけ反対になるようにしました。共振周波数が極めて近くなる様にインダクタンスをほぼ同一にし、コンデンサーの容量もほぼ同じものを使用しました。

送信コイルは受信コイルとは異なる共振周波数を持つ様に設定するため、コンデンサーの容量はほぼ同じもので、インダクタンスが若干少なめに設定してあります。

ですので、送信コイルの共振周波数では、受信コイルは共振しません。また受信コイルの共振周波数では送信コイルは共振しません。

ですので、今回のテスト結果は送信コイル側に設置してある発振器の影響は少ないだけでなく、受信コイル側に最大電力を記録している際に、送信コイル側はその影響を受けないだけでなく共振周波数から外れているため、受信コイルに比べ、ごくわずかな電力しか使用していません。

また受信コイルの共振周波数は、送信コイルの電力を単独で受信する場合と、逆巻コイルと合わせて2つの受信コイルで電力を受信する場合とでは、異なる周波数となります。

一般に知られている法則は、受信コイルが単独で送信コイルの電力を受け取る場合です。この場合、送信コイルの電力を最大限受信出来るように周波数を調整した後に、逆巻受信コイルを送信コイルに近付けると、受信コイルの電力は半分以下になります。

一方で、単独の場合よりも、若干周波数を下げるか、あらかじめ送信コイルの両側に受信コイルを接近させて周波数を下げると、送信コイルの電力を両方の受信コイルが最大限受信出来る周波数が見つけられます。この場合、受信コイルのどちらか一方を遠ざけると、両方の受信コイルの電力が半分以下になります。

注目すべき第一点は、送信コイルと受信コイルの共振周波数をズラして、送信コイルの周波数を受信コイルの共振周波数に一致させる事で、受信コイルの影響を送信コイルが受けにくく出来る事です。

注目すべき第二点は、周波数の調整と逆巻受信コイルを送信コイルの両側に近付ける事により、単独の受信コイルが得る最大限の電力を、2つの受信コイルがそれぞれ受け取る事ができ、実質2倍の電力を受信可能な事です。

以上の、第一点と第二点とを合わせて考えれば、複数の受信コイルの受信電力が送信電力に影響を与えずに、送信電力を100%以上の効率で受信出来ることは明らかです。

一般に知られている共振とは、送信コイルと受信コイルの共振周波数を一致させた上での相互作用であるため、送信コイルが受信コイルに最大限相互作用する際には、電力のやり取りも最大限となり効率は高くなるのですが、一方で受信コイルに負荷を接続したりノイズが発生した場合、その影響は送信コイル側にも最大限及びます。これは共振ではなくより効率的な鉄芯やフェライトコアを使用した場合でも同様です。しかし、今回のテストでは送信コイル側の共振周波数と受信コイル側の共振周波数は一致しないように設定して、送信コイルが受信コイルの共振周波数に合わせて発振しているため、受信コイル側にもたらされる恩恵や悪影響は板挟みになっている送信コイル側にほぼ影響しません。

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