藤原直哉の「21世紀はみんながリーダー」 2025年8月13日 昔の本はおもしろい

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要約

藤原直哉氏は「昔の本は面白い」というテーマで講演を行いました。現代の社会科学系の本はあまり面白くないと感じる中、特に戦前の本に価値を見出していると述べています。国立国会図書館のデジタルアーカイブを活用することで、著作権が切れた戦前の書籍を無料で閲覧できることを紹介しています。

藤原氏は特に内田良平の黒竜会が出版した資料に注目し、その情報収集能力と分析力を高く評価しています。昭和6年に出版された「最新アジア大観」という本は、当時のアジア情勢を詳細に分析し、日本の仮想敵国がロシアではなくイギリスであることを明確に示していたと指摘しています。

また、藤原氏は歴史的な視点から見ると、現代は物質文明が均一化した結果、地域の個性が失われつつあると分析しています。東京・名古屋・大阪が新幹線で密接につながり、「渡り廊下でつながった」状態になっていると表現し、地域の独自性が薄れていることを懸念しています。

藤原氏は、地域の個性を取り戻すためには歴史や風土を見直す必要があると主張し、昔の本から学ぶことの重要性を強調しています。また、戦前の日本では経済界の主流は儒教を理解した人々が運営していたと述べ、現代の経済界の問題点を指摘しています。

最後に、日本独特の信仰形態である「かながら」の考え方に触れ、西洋の人間中心主義との違いを説明しています。藤原氏は、昔の本を読むことで現代の問題解決のヒントが得られると結論づけています。

チャプター
現代の本の問題点と昔の本の価値 ‎00:00:01

藤原直哉氏は講演を始め、現代の社会科学系の本はあまり面白くないと指摘しています。特にビジネス本については「まともに買う人もいないんじゃないか」と述べています。一方で、昔の本、特に戦前の本には価値があると主張しています。国立国会図書館のデジタルアーカイブを利用すれば、著作権が切れた戦前の本を無料で閲覧できると紹介しています。藤原氏は、本の価値は内容だけでなく、どういう問題意識で書かれているかという点にあると強調しています。

第一次世界大戦の呼び方と時代認識 ‎00:01:47

藤原氏は、第二次世界大戦前の文献では第一次世界大戦を「グレートウォー(大戦争)」と呼んでいたことを例に挙げ、時代によって常識が異なることを説明しています。第二次世界大戦後になって初めて「ワールドウォーワン」と呼ばれるようになったと指摘し、当時の人々の認識の違いを強調しています。

内田良平と黒竜会の情報収集能力 ‎00:02:53

藤原氏は内田良平率いる黒竜会について言及し、これが単なる右翼団体ではなく経済シンクタンクとしての側面を持っていたと説明しています。黒竜会はソ連の沿岸地域の詳細な地図や情報を収集しており、その情報収集能力と分析力は軍事戦略情報として価値があったと評価しています。

「最新アジア大観」の戦略的視点 ‎00:04:36

藤原氏は昭和6年に出版された「最新アジア大観」という本に感銘を受けたと述べています。この本は日本の仮想敵国が表面上はロシアに見えて実はイギリスであることを明確に示し、東アジアから中央アジア、バルト三国、さらにはエルサレムまでを網羅した戦略的分析を行っていたと説明しています。特にスエズ運河の戦略的重要性の変化についての分析を高く評価しています。

エルサレムとキリスト教の歴史的視点 ‎00:07:21

藤原氏は「最新アジア大観」におけるエルサレム(当時のパレスチナ)の分析に注目し、キリスト教がヨーロッパに広まった理由をローマの植民地だったという地政学的視点から説明していることを評価しています。エルサレムがローマの「飛び地」であったため交流が盛んで、そのためキリスト教がヨーロッパに広がったという分析を「すごい話」と称賛しています。

ツラン民族説とハンガリーとの関係 ‎00:09:07

藤原氏はツラン民族説に触れ、中央アジアを起源とする民族が東西に分かれたという説を紹介しています。「最新アジア大観」には高松宮がハンガリーを訪問した際に国王と同等の歓待を受けたことが記されており、日本とハンガリーの親密な関係が示されていると述べています。藤原氏は第二次大戦後にこうした歴史的つながりが忘れられてしまったことを惜しんでいます。

現代の物質文明と地域の個性の喪失 ‎00:12:58

藤原氏は現代の80年間は物質文明が猛烈に発展した時代であり、世界中の人々のライフスタイルが均一化してきたと分析しています。交通の発達により東京・名古屋・大阪は「渡り廊下でつながっている」状態になり、地域の個性が失われつつあると指摘しています。地域の個性を取り戻すためには、歴史や風土を見直す必要があると主張しています。

戦前の経済界と現代の比較 ‎00:17:36

藤原氏は戦前の経済界は儒教を理解した人々が主流であったと述べ、それが崩れた時にバブルのような問題が生じると分析しています。現代の経済界は「継承不良な連中」や「アメリカのディープステート」とつながった人々に乗っ取られていると批判し、自分たちで考えて行動する人々が地域や国を動かすべきだと主張しています。

日本独特の信仰形態「かながら」‎00:18:14

藤原氏は日本独特の信仰形態として「かながら」の考え方を紹介しています。日本では地域の神様に願い事をすると、その神様が最高神と連携して答えを出してくれるシステムがあると説明し、これが西洋の信仰形態と大きく異なると指摘しています。西洋では「最後に人間力でやるべき」という考え方が主流だが、それが「文明の崩壊」を招いたと批判しています。

アクションアイテム

藤原直哉氏は国立国会図書館のデジタルアーカイブを活用して戦前の本を読むことを推奨しています。 ‎00:01:05

藤原氏は「最新アジア大観」など戦前の書籍から地域の個性や歴史を学ぶことを提案しています。 ‎00:17:11

藤原氏は地域の個性を取り戻すために、歴史や風土を見直すことを勧めています。 ‎00:16:54

藤原氏は自分たちで考えて行動する人々が地域や国を動かすべきだと提言しています。 ‎00:18:02

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