藤原直哉の「日本と世界にひとこと」 2025年6月4日 不景気と供給不足

4 months ago
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要約
藤原直哉氏は「不景気と供給不足」というテーマで、現在の経済状況について解説しています。彼は物価上昇が人々の生活や仕事を追い詰めていると指摘し、平成時代のデフレとは対照的に、現在のインフレ環境では組織の運営方法を変える必要があると述べています。

藤原氏によれば、デフレ時代には内部統制を強化し、何もしないことが短期的に賢明な選択でしたが、インフレ時代ではそれが通用せず、売値を上げる実力が必要になると説明しています。また、日本の制度や財政政策がデフレに焦点を合わせて設計されており、現在のインフレ環境に適応できていないと指摘しています。

藤原氏は、現在の経済状況を「不景気と供給不足が同時に起こっている」と特徴づけ、これは平成時代に生産設備の縮小や人員削減が行われ、仕事のできる人材が育てられなかったことが原因だと分析しています。彼は、この状況を克服するためには、新しいイノベーションを取り入れた「御用達」(顧客のニーズに応える)ビジネスモデルが必要だと提案しています。

藤原氏は、世界的な少子高齢化の傾向にも触れ、2085年には世界人口がピークを迎え、その後減少に転じると予測しています。このような環境では、量よりも質(クオリティ)を重視し、丁寧なビジネス運営が重要だと強調しています。

最後に藤原氏は、不景気と供給不足を克服するためには、イノベーションを取り入れ、人材を育成し、良い商品を丁寧に作り販売していくことが重要だと結論づけています。また、東アジアの冷戦崩壊による市場拡大の可能性にも言及し、来年が大きな変化の時期になるだろうと予測しています。

チャプター
物価上昇と経済環境の変化00:00:00
藤原直哉氏は、現在の物価上昇が人々の生活や仕事を追い詰めていると指摘しています。平成時代はデフレが続き、何もせず現金を持っているだけで暮らせる環境でしたが、現在のインフレ環境では、売値を上げる実力がなければ生き残れないと説明しています。

デフレ時代の制度設計と現在の課題00:01:27
藤原氏は、文部科学省や厚生労働省の制度、介護保険や年金制度がデフレ時代に設計されたものであり、現在のインフレ環境に適応できていないと指摘しています。また、日本の1000兆円の借金もデフレ環境だからこそ可能だったと分析しています。

歴史的なインフレの事例00:02:54
藤原氏は、江戸時代末期の慶応年間や昭和19年から戦後にかけての時期に大きなインフレがあったことを例に挙げ、世の中が変わる時期には大きなインフレが起こると説明しています。

デフレとインフレ時代の組織運営の違い00:03:54
藤原氏によれば、デフレ時代には内部統制を強化することが有効でしたが、インフレ時代では内部だけで閉じた体制を組むことが不可能になり、外部との連携が必要になると指摘しています。内部統制を強くするほど時代に適応できなくなると警告しています。

不景気と供給不足の共存00:05:08
藤原氏は現在の経済状況を「不景気と供給不足が同時に起こっている」と特徴づけています。物価上昇により実質所得が下がる一方で、デフレ時代に生産設備の縮小や人員削減が行われ、良いものを作れる人や組織が少なくなっていると分析しています。

供給体制の崩壊と物価上昇00:07:16
藤原氏は、昭和時代には円滑な組織化が行われ、バブル期でも消費者物価指数はあまり上がらなかったと指摘しています。しかし現在は供給体制が壊れ、円安の影響もあり、輸入品も高くなっていると説明しています。

エネルギー市場の動向00:09:13
藤原氏は、トランプ氏が増産を主張する一方で、OPECプラスは減産を主張していると指摘しています。カザフスタンなどの産油国では減産破りが行われており、油価は下落傾向にあると分析しています。

熟練者不足の問題00:11:08
藤原氏は、供給不足の最大の原因は熟練者の不足だと指摘しています。熟練者は職場環境を選ぶため、環境の悪い組織には人材が集まらず、組織文化の改善が必要だと強調しています。

世界的な少子高齢化と経済の変化00:15:16
藤原氏は、少子高齢化は日本だけでなく世界的な現象であり、2085年には世界人口がピークを迎えると予測しています。このような環境では、量よりも質(クオリティ)を重視した経済運営が必要だと主張しています。

不景気と供給不足を克服する方法00:18:43
藤原氏は、不景気と供給不足を克服するためには、イノベーションを取り入れ、「御用達」(顧客のニーズに応える)ビジネスを展開し、人材を育成して良い商品を丁寧に作り販売していくことが重要だと結論づけています。また、東アジアの冷戦崩壊による市場拡大の可能性にも言及しています。

行動項目
藤原氏は、インフレ環境では売値を上げる実力をつけることが必要だと指摘している。00:00:53
藤原氏は、不景気を改善するために新しいことに挑戦し、攻めの姿勢で収入を増やす必要があると提案している。00:06:06
藤原氏は、組織文化全体を変えることが必要だと指摘している。00:12:07
藤原氏は、ミクロの世界から需要と供給を合わせ、御用達のビジネスモデルを構築することを提案している。00:13:08
藤原氏は、新しいイノベーションを取り入れた上での商品開発が必要だと強調している。00:14:04
藤原氏は、東アジアの冷戦崩壊後の市場拡大を見据えた戦略を立て、具体的に試してみることを提案している。00:19:05

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