失望したフリーメイソン会員をバイエルン啓明結社に勧誘したアドルフ・クニッゲ

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西暦1,780年7月1日
アドルフ・クニッゲがフランクフルトのロッジで、アダム・ヴァイスハウプトの部下でバイエルン啓明結社員のコンスタンティン・フォン・コスタンツォと出会う。コスタンツォは、当初ヴァイスハウプトの弟子に限られていたバイエルン啓明結社の活動範囲を、フリーメイソンを取り込み、プロイセン王国のプロテスタント地域にまで拡大させる為に、バイエルン啓明結社員の獲得の旅に出ている最中であった。ヴィルヘルムスバートのフリーメイソン会議に期待する事を止め、自身で新たな結社の設立を考えていたクニッゲに対しコスタンツォは「何故新しい結社を設立しようと無益な労力を費やそうとするのですか?貴方の知識欲や有益な活動を望む意欲を全て満たすバイエルン啓明結社が既に存在しているのですよ」とクニッゲを勧誘した。クニッゲは此れを聞き、直ちに入会を決意し、当日中に入会した。此の頃のバイエルン啓明結社は、ヴァイスハウプトが組織を一部しか完成させておらず、以下の目的こそ共有されていたものの、最終的な主目的が曖昧であった。
①啓蒙主義の促進
②お互いを譲り助ける
③メンバーに其の働きと能力に応じた社会的地位を与える
又此の時、ミュンヘンのアレオパゴスメンバーとの対立が継続していた。ヴァイスハウプトは程無くしてクニッゲに書簡を送り、クニッゲをアレオパゴスメンバーに迎え入れ、忠誠心の証を立てる為、バイエルン啓明結社員の勧誘を行う様指示した。此れによりクニッゲは、プロイセン王国北部のプロテスタント地域へ出向き、勧誘を行い、持ち前の落ち着きと巧みな組織力で、短期間の内に、プロイセン王国北部のロッジの大半を傘下に収めていたストリクト・オブザーバンツの知られざる上位者の詐欺行為により失望していたフリーメイソン会員を中心に、主に貴族・政治家・医師・弁護士・法学者・知識人・バイエルンの現役学生及びOBから成る、以下2名を含む500名もの新規バイエルン啓明結社員を獲得し、クニッゲは、瞬く間にバイエルン啓明結社内でヴァイスハウプトに次ぐNo2の地位に上り詰めた。
①ヨハン・ヨアヒム・クリストフ・ボーデ
②ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ボーデを通じて入会)
斯うして、多くのフリーメイソン会員が加入した結果、両者は一体化し、イルミナティがフリーメイソンの結社となった。バロン・アドルフ・カネガが、フリーメイソンの儀式に似たものを採用しようとしたが、元フリーメイソンであったクニッゲは此れに賛成し、採用された。又、イルミナティの会員には、古代から取られた象徴的な秘密の名が与えられた。例えばヴァイスハウプトは「スパルタクス」、クニッゲは「フィロ」であった。更に、イルミナティ会員の階級も複雑になり、クニッゲが、フリーメイソンのロッジで使われていたモデルを提案し、入会時に以下の13の階級と3つの階層に分かれた。高い順に示す。
①王
此の階層は、哲学的な啓蒙の最高位である。此の階層の会員は司祭であり、下位の会員に教えを説く。此の階層の下位の会員は、王の権威下に在る。
❶王
❷魔術師
❸王子
❹司祭
②イルミナトゥス・ディリゲンス
此の階層は、フリーメイソンリーから影響を受けた。イルミナトゥス・メジャーは新会員の募集を監督し、イルミナトゥス・ディリゲンスはミネルヴァルの会議を主宰する。
❶イルミナトゥス・ディリゲンス
❷イルミナトゥス・メジャー
❸師匠
❹仲間
❺見習い
③イルミナトゥス・マイナー
此の階層は、人道主義的な哲学に基づいて啓蒙を受け、ミネルヴァルとなる。其の後、イルミナティの規則を受け取り、会議に参加出来る様になる。
❶イルミナトゥス・マイナー
❷ミネルヴァル
❸初心者
❹入会者

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