河岡義裕とロン・フーシェの鳥インフルエンザH5N1ウイルス研究

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西暦2,012年5月2日
河岡義裕率いる研究グループの、以下の2つのウイルスを融合させた、再集合H5 HA/H1N1ウイルスに関する論文がネイチャー誌に掲載される。
①鳥インフルエンザH5N1ウイルスの主要なウイルスタンパク質であるヘマグルチニンを4個変異させたH5 HA
②西暦2,009年に軽度のパンデミックを引き起こしたヒトH1N1ウイルスの残りの7つの遺伝子セグメント
此の再集合体ウイルスは、哺乳類の細胞により強く結合し、呼吸器の飛沫を介して容易に伝播するのに十分なレベルで自己複製する事が可能になった、とした。実際にフェレットが飛沫感染し、ヒト型受容体を優先的に認識して、フェレットの体内で効率的に複製され、肺病変と体重減少を引き起こしたが、病原性は高くなく、死亡を引き起こさなかった。此れ等の結果は、H5 HAが、哺乳類でのウイルス伝播を支持するヘマグルチニンに変換し得る事を示唆しているが、此処で特定された①が完全に鳥インフルエンザ A(H5N1)ウイルスを伝染性にするかどうかは不明であるとした。又、②は哺乳類に於ける感染性に決定的に寄与している可能性が有るとした。とはいえ、H5N1ウイルスが進化を続け、人間に感染する様になると、パンデミックの可能性を持つH5N1ウイルスの受容体結合型変異体が出現する可能性がある、と結論付けた。研究の背景として、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスは、人間に感染する事が有るが、現時点では人間から人間への感染効率は高く無い為、哺乳類間で伝染性を持つ様になる為に、宿主特異的な細胞受容体へのウイルス結合を仲介し、宿主範囲を決定する因子であるヘマグルチニンに着目し、H5 HA サブタイプを持つウイルスが必要なヘマグルチニンの分子変化を評価する、というのが有った。

一元化 公式HP
https://uc-4.com/

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