ビール片手に放尿するボヘミアングローブの変態儀式

8 months ago
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西暦1,989年7月15日
夜、ボヘミアングローブの草地の人工湖の湖畔にて、キャンプのオープニングセレモニーが執り行われる。1,500名の男性が集結した。この頃のキャンプの参加費は食事付きで850ドル程度で、年会費とは別料金であった。マジックアワーの21:15が近付くと、ネットワークニュース雑誌のヘリが、暗い森の上空を旋回し、カリフォルニア森林局が掲示した警告を無視して着火した数百本の葉巻だけが照らしている光景を探した。参加者は「誰かあのヘリを撃ち落とすべきだ」と、秘匿されたボヘミアングローブの内情が明るみになるのを危惧した。そして、91.44m先の森から松明を持ったフード付きの人物の列が厳かに現れ、水辺に向かって死体を下ろすと、皆静まり返った。ボヘミアングローブの中の道には、テントの間からピアノの音が聞こえ、ビールを片手に持ち、もう一方の手で陰茎を掴みながら茂みに向かって放尿する男性も居た。このキャンプで最も栄誉ある儀式は、権力者達が好きな場所で自由に放尿出来る事であり、これは、アメリカ政府の性差別反対運動に対抗する際にボヘミアンクラブが主張した権利でもあった。但し、「ダイニングサークル」と呼ばれる屋外アリーナのすぐ外に在る人気の数本のセコイアに関しては制限が有った。其の内の1本には「紳士の皆様、お願いです!ここでおしっこをしないで下さい!」という警告文が貼られていた。キャンプ地はセコイアの森で守られており、木漏れ日の光がぼんやりと差し込んでいた。各キャンプには多かれ少なかれ焚き火が有り、柔らかな煙が木々の間に漂っていた。壁で囲まれたキャンプは幅が約30.48mで丘の斜面に沿って奥に向かって伸びており、メンバーがテントを設置するための木製の台が在った。メンバーは、テントを張ってコットで寝るか、より優雅なキャンプの場合セコイアのキャビンで寝た。また、ドミトリー風のバスルームで体を洗い、ダイニングサークルで朝食と夕食を摂った。地面には新鮮な木片が敷き詰められ、上空が覆われ、雨を避ける事が出来た。キャンプ地には、ボヘミアングローブのシンボルである梟の木や石の彫刻が飾られていた。日中は怠惰に過ごす事が奨励された。唯一、ボヘミアングローブで商売をしてはならない、というルールが有ったが、広く破られていた。また、暗黙のルールとして、常に飲酒する、というのが有った。ボヘミアングローブのとあるレシピには「大きな馬用のバケツを手に取り、そこに氷の塊を投げ入れ、ジンのボトル数本とベルモットのボトルを半分注いで撹拌する」というのが有った。伝統的に、7時にキャンプの召使によってジン・フィズがベッドに提供され、飲酒ペースが設定された。以下の活動や、毎晩のエンターテイメント後の余韻に至るまで、常に皆酔っ払っているが、誰も吐く事無く、この礼儀作法は浸透していた。
①スキート射撃
②ドミノ遊び
③博物館での会話
しかし時折、メンバーが羊歯の中に座り込んで気を失ってしまう事が有った。また、ボヘミアンクラブには以下の調度品が有った。
①ジャングルキャンプの上にある剥製のライオン
②夜になると幽玄な雰囲気を醸し出す赤いランタン
③外に掛けられた駱駝・ペリカン・裸の女性の絵
④ウーフキャンプの入り口に置かれた柔らかいソファ
⑤正門近くのピアノ倉庫に保管されていた、至る所に配置されたピアノ
また、川の近くの森にあるトイレの便座カバーは、常に新しく補充され、ロシアン川(アメリカのカリフォルニア州ソノマ郡・メンドシーノ郡)のビーチの砂浜にはココナッツファイバーのマットや、サンフランシスコ中心部に在る5階建てのレンガ造りのボヘミアンクラブの建物「シティクラブ」のカーペットから切り取られた豪華な模様のスクエアによって覆われた。ボヘミアングローブ内は一日中音楽が流れ、一部のキャンプではコメディアン・歌手・俳優等による娯楽プログラムが開かれ、メンバーであれば誰でも歓迎された。例えば或る日の午後、ヴァルハラキャンプのデッキにはヴァルハラ自家製ビールを飲みながら、19世紀のエングレービングが飾られたセコイアの前に設けられた小さなステージで歌う歌手達を鑑賞する男性達で賑わった。しかし、ビールを飲む人達が行き交うポーチの端で用を足す人間が居り、その放尿の音で歌が遮られた。デッキの手すりは股の高さに設定されているので、用を足す人達は少し屈む必要があった。そんな中、ビール鋳造者自身が出て来て、ボヘミアングローブの英雄であった詩人ラドヤード・キップリングの詩に基づいた歌「マンダレー」を歌った。マンダレーは白人男性の重荷を勝ち誇った歌で、鋳造者は涙を流しながら、両腕を頭上に上げ、拳を握りしめ「私をマンダレーに連れてって下さい」と歌い終えた。21:15、東側の木々の中から、ボヘミアングローブの主要道路であるリバーロードに沿って、ダル・ケアの棺を運ぶ鮮やかな赤・青・橙のフード付きローブを着用した神父達の行列が現れた。人工湖に到着すると、松明を消した。ラインストーンを鏤めた金色のスパンコールのボディスーツを着用した数名のハマドリュアスと、1名のピンクと緑のサテンの衣装を着た司祭が現れ、人工湖の南側に在る高さ12.192mの苔むした石と鉄で出来た梟の神殿にやって来てケアに関する歌を歌い、人間の心が如何に現実と幻想に分かれているか、人間同士の交わりの別の世界へ逃げ出す必要があるか、について語った。さらに、男性達を解放して温かい交わりを追求出来る様にする「妖精の軟膏」についても話した。ケアの火葬は、毎年新たな工夫が施されるが、この年の改善点は、梟の顔にホログラムを投影して、その嘴が動いている様に見せる事であった。声はジャーナリストのウォルター・クロンカイトが担当した。クロンカイトは、以下の人間とヒルビリーズにてキャンプをしていた。
①ジョージ・H・W・ブッシュ
②ウィリアム・バックリー・ジュニア
③アポロ8号船長でイースタン航空CEOを務めたフランク・ボーマン
梟に扮したクロンカイトは「ケアが火葬される唯一の方法は、目の前に有る仲間のランプの火を使う事だ」と言った。その火は、キャンプ期間中、昼夜を問わず燃え続けるガスの炎であった。その言葉でケアは炎に包まれ、周囲の男性達は歓声を上げた。ペパーミントストライプのジャケットと麦藁カンカン帽を被った人々が森から出て来て「今夜オールドタウンでホットタイム」を演奏した。この年のキャンプでは、以下2名がゲストリストに名を連ねていた。
①民主党議会選挙委員会委員長を務めたトニー・コエーリョ
②全国共和党議会委員会委員長ガイ・バンダー・ジャット
また、この頃には、女性がボヘミアンクラブに入会出来る機会が極めて限定されている事をカリフォルニア州が問題視し、女性差別を理由に、酒類販売免許や税制優遇措置の取消をちらつかせていた。カリフォルニア州は、ボヘミアングローブの正門から91.44m離れたボヘミアンクラブのオフィスに7名の女性を法的圧力で雇用させていた。メンバーは、将来的に女性がキャンプに参加する事は避けられないだろうとと考えており、裸で歩き回り自由に放尿する事が出来なくなると悲観していた。

宇宙一元化 公式HP
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