ベトナム ホーチミン 【ストリート・グルメを求めて】

2 years ago
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ホーチミンは人口1000万人のうち、その1割にあたる100万人が屋台で生計を立てている。言わば、屋台の本場だ。7話の主人公は、ウミニナという巻き貝をニンニクで炒めてココナッツミルクを加えたメニューを売るチュオックさんだ。カセットコンロと七輪のみで作るこの貝料理は、見た目が少々グロい。しかし、彼女にとっては父がよく作ってくれた思い出のレシピである。
チュオックさんの生活は過酷だ。市場での仕入れのため午前1時に家を出て、睡眠時間はたった2〜3時間程度。ホーチミンは共同体意識が強く、互いに助け合って生きる文化圏だ。日々の労働と地元の文化のおかげで彼女は借金を完済し、さらに息子を大学まで通わせた。そしてもう1つ、大きなポイントがある。それは、創意工夫。以下は、地元の料理人の見解だ。

「ホーチミンで生きるには創造力が必要ね。彼女のような人は他にも100万人いるから」

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